味噌庵の味噌について
味噌庵の味噌は、京都で300年以上の歴史を持つ種麹屋さんで作られた種麹を使って、昔ながらの道具と製法で熟成された麹を使っています。
湿度や温度を麹にとって丁度良い状態で熟成させる部屋「室(むろ)」は、余分な湿気を吸収して麹にとって安定した状態を作りやすい煉瓦や木で作られています。
麹を熟成させる箱には木の繊維の中に麹菌が住んでいるので、箱は古くなっても捨てないで何十回と修繕しながら使い続けます。(修繕に使う木の種類にも気をつけないといけません。)微妙な温度湿度管理の為に、底板の厚さなども考慮された造りになっています。
その他、気候や水質など、様々な知識や技術や経験によって高品質の麹ができあがります。(※大きな写真で確認出来る細かい菌糸が高品質な麹の証です。)
当店の味噌は長いもので3年間熟成させますので、このような方法で作られた強い麹がとても大事です。
この製法で麹を作るのは上記のように大変な手間と経験が必要なので、近年ではこの製法で作られる麹は減ってきています。この道具と製法で作られた麹を使用して作られた味噌は大原では味噌庵の味噌だけです。
大豆や塩や水も大事な素材です。
大豆は産地の出来不出来もありますので毎年見直すようにしています。味噌庵の麹と大豆の相性も非常に大事なので毎年試験的に色々な大豆を使った味噌を実際に一年かけて仕込んでいます。大豆によっては麹との相性があまり良くなく味にまとまりのないなものや、大豆の油分が多すぎて風味が良くないのもありますで、実際に最低一年は仕込んでみる事が大事です。今も味噌蔵で数種類の試作味噌が熟成されています。
塩も大豆と同じく非常に大事な素材です。スッキリした味の味噌になる塩、まったりした味の味噌になる塩、等々、塩によって全体の味が変わってきます。減塩味噌のお問い合わせもいただきますが、味噌庵は昔ながらの味噌を守っていくのも大事な仕事と考えていますので、まずは昔ながらの味噌とそれをベースにした味噌をしっかりと作っていきたいと考えています。
実は水も大豆や麹に負けないくらい大事な素材です。京都鴨川の源流の大原の山から湧き出ている水は雑菌の少ない綺麗な水なので雑菌がない方が良い麹菌にとって最高の相性です。実は味噌を寒い季節に仕込む理由は水中や空気中に雑菌が少ない季節だからです。大原の綺麗な空気や水は縁の下の力持ち的存在です。
このように、味噌庵の味噌は相性の良い色々な素材が組み合わさって美味しく熟成されています。
麹と塩を混ぜます
大原の綺麗な水
味噌蔵には熟成させる菌が住んでいます